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2024年度第2回海外投資家向けIR英語セミナー(会場参加)
2024.08.20
海外投資家に「伝わる」情報開示において大切な論理的思考
グローバルな情報発信においては、異なる言語やコミュニケーションスタイルを持つ読み手を想定し、誤解が生じない文章を書く必要があります。そこで求められるのが「論理的に書く」スキルです。米国証券取引委員会(SEC)も、投資家の保護、ひいては証券市場の活性化を目的として、開示文書を「論理的に書く」よう指導しています。
しかし、高文脈言語(言外や行間に意味を込める言語)である日本語を使う私たちは、論理を突き詰めることにあまり慣れていないのではないでしょうか。論理が見えにくい日本語の文章を、海外投資家にとって明快な英語に翻訳することは困難です。したがって、海外投資家向けのIRにおいては、伝えたい論理を、日本語の文章の段階で文字として書き切ることが不可欠です。
今回も昨年に続き、論理学の第一人者、野矢茂樹 東京大学大学院 名誉教授から「論理的な文章を書く力を鍛えるヒント」を学びます。明快な英文は明快な日本文から生まれるという考えから、セミナー中<第二部>の題材は日本文になりますが、「英文を書く、または翻訳する」うえで役立つ、ぜひ知っておいていただきたい内容です。
〇受講いただきたい方々:IR業務の担当者、IR部門責任者を含め基礎から最新情報の習得を希望する方々の受講をお奨めします。
〇受講方式:会場参加またはZoomウェビナーでの参加となります。後日、アーカイブ配信も予定しております。
※本セミナーは、海外投資家に「伝わる」英語表現習得を目指すものであり、東証の英文開示要請や海外投資家が投資判断のために期待する開示項目などの詳細解説ではございません。
プログラム
<第一部> 13:00-13:10
「プレインランゲージ(PL)の基本概念」の再確認と「論理」について
講師:株式会社エイアンドピープル
プレインランゲージの基本概念の復習と、グローバル時代の情報発信に求められる「論理」との関係についてご紹介します。
<第二部> 13:10-14:40
ただ数値の報告だけでは伝わらない。「伝えたいメッセージ」を確実に投資家に伝え、次のアクションにつなげるには?論理思考の紹介
講師:東京大学大学院 名誉教授 野矢 茂樹 氏
論理的な文章を書く力を鍛えるヒントとして、「読ませる工夫、理解してもらう工夫、納得してもらう工夫」を解説します。また、自分自身が書いた文中の論証を、自ら批判的に吟味できる力をつけていただくために、論証を批判的に吟味するときのポイントを解説します。
<第三部> 14:50-15:40
投資家が望んでいる英語表現(「以心伝心」が伝わらない相手と対話するための論理構成)
講師:株式会社エイアンドピープル
優れた開示資料を表彰する海外のアワードを例に、英文開示資料に求められる「わかりやすい文章」を書くための注意点をご紹介します。また受賞企業の実際の文書(招集通知など)が、どのようにわかりやすく書かれているかを分析します。
※ プログラム内容を一部変更させていただく場合があります。
※ 一部内容が過去開催分と重複している場合があります。予めご了承ください。
講師紹介
◉ 野矢 茂樹 氏(哲学者。東京大学大学院 名誉教授。立正大学 文学部 哲学科 教授)
東京大学大学院 博士課程修了。ウィトゲンシュタイン研究の第一人者。平明な文章による論理学入門書を多く執筆。練習問題を解きながら論理力を磨く「論理トレーニング」シリーズは、大きな反響を呼んだ。哲学書の平易な解説にも定評がある。著者「心という難問」(和辻哲郎文化賞を受賞)「増補版 大人のための国語ゼミ」、「まったくゼロからの論理学」、「ウィトゲンシュタイン 『哲学探究』という戦い」など。
◉ 株式会社エイアンドピープル 取締役 橘川 真澄
青山学院大学 国際政治経済学部卒。日系/外資系大手翻訳会社にて、リンギストおよびクオリティアシュアランス担当として従事。2008年より(株)エイアンドピープル グローバルコミュニケーション事業部兼品質管理部長。2010年より本セミナーの前身である「IR実務英語セミナー」に参画。